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心臓の元気度がわかるBNP

ポイント・オブ・ケアテストをご存知ですか?

診察時にその場で結果を出す検査、「診察時検査」のことです。
一番のメリットは、患者さんの病態をすぐに把握できるため、最適な治療や生活指導の方針決定がその場でできるようになることです。ポイント・オブ・ケアテストは、検査結果が分かるまでの時間を短縮することができます。当院にあるBNPの測定器は15分で結果を出すことが可能です。

BNPとは?

BNP

BNPとは心臓の元気度がわかる検査であり、心不全の重症度を鋭敏に反映する血液検査で、心不全の診断に有用です。血液中のBNP濃度を測定することにより、心機能低下の有無が分かります。
また、心臓の検査は一分一秒を争うので、迅速に結果を出すことが必要となってきます。当院では、わずか15分でBNPを出すことができるので、早期に発見し、早期に治療をする事ができます。

BNP測定の目的

  • 早期心不全の把握
  • 心不全の重症度の把握
  • 心不全の予後予測

心不全とは

心臓のポンプの働きが(何らかの原因で)弱くなり、全身へきれいな血液を上手に送れない状態です。末梢(足)などに水が貯まります。これにより種々の症状がでてきます。

1.心不全を起こす原因となる病気

(1)虚血性心疾患 狭心症・心筋梗塞
(2)心臓の弁の病気 僧帽弁狭窄症(そうぼうべんきょうさくしょう)・僧帽弁閉鎖不全症
大動脈弁狭窄症 ・大動脈弁閉鎖不全症
三尖弁狭窄症(さんせんべんきょうさくしょう)・三尖弁閉鎖不全症
肺動脈弁狭窄症・肺動脈弁閉鎖不全症
(3)心筋症 拡張型・肥大型
(4)高血圧性の病気 腎性高血圧など

2.心不全の症状

心臓ポンプの出力低下から:疲れやすい、息切れ、頻脈(100回/分以上)

肺のうっ血から 咳、呼吸困難、重症ではピンク色の泡状の痰がでる
腎臓のうっ血から 尿の量が減り、体に水分が貯まり、体重が増える
消化器のうっ血から 食欲低下、肝臓のあたりが重苦しくなる
全身のうっ血から むくみがでる(足のすねを強く押さえると指の跡がのこる)

3.自覚症状から見た心不全の重症度

Ⅰ度 心臓病を有するが,自覚的運動能力に制限がないもの
Ⅱ度 心臓病のため,多少の自覚的運動能力の制限があり,通常の運動によって,疲労・呼吸困難・動悸・狭心痛などの症状を呈するもの
Ⅲ度 心臓病のため,著しい運動能力の制限があり,通常以下の軽い運動で症状が発現するもの
Ⅳ度 心臓病のため,安静時でも症状があり,最も軽い運動によっても症状の増悪がみられるもの

NYHA:ニューヨーク心臓協会 心機能分類

慢性心不全に伴う症状

心不全の病態把握の目安

BNP(B型ナトリウム利尿ペプチド)は心臓から分泌されるホルモンです。その血中濃度は心不全の患者さんの経過観察において心臓の精密検査や治療開始のための情報を提供します。
下図はBNP検査を用いた心不全の病態把握の目安を示したものです。

心不全の病態把握の目安

心不全の治療において大切なことは、早期に治療を開始することです。先ほど挙げた、心不全の症状がみられる方は早期の受診が望ましいです。また、BNP検査を希望の方は先生にご相談ください。

資料提供:シオノギ製薬

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